北の国から:黒板五郎の石の家



ついに来た。
ついにここに辿り着いた。


今まで、いつでも来ることができた。
だけど来なかった。

いつか、然るべきときに
ここに来ることになると思っていたからだ。

、、、いや、違う。
そんな格好の良い予感などなかった。

いつか、然るべきときに
僕の意思で、一人だけで、ここに来たかったんだ。
それまでは決して行くまいと、心に決めていたんだ。


人生の折り返し地点になってようやく、
やっと僕は、ここに来る資格を得た。
ようやく僕は、ここに辿り着いた。



純がいる。螢がいる。正吉もいる。
草太にいちゃんも、雪子おばさんも、中畑のおじさんも、みんないる。
そして、いつもと同じように、
五郎さんがまた何かを作ったり、畑を耕したり、
炭を焼いたりしている。


”金なんか望むな。倖せだけを見ろ。”


『北の国から』。そして五郎さんの石の家。
誰が何と言おうと、僕の心の拠り所であり、そして道標だ。
これまでも、これからも、ずっと。


最初の家

丸太小屋

3番目の家

拾ってきた家 -やがて町-



麓郷のはずれから望む夕張山地