白金温泉付近で。適度に距離を保ちながら、こちらの出方を待っている。 食べ物をくれるのを期待しているのだろう。 |
今日は十勝岳温泉の「ヒュッテバーデンかみふらの」へ行き、、、たかったんだけど、美瑛からのルート(道道966号十勝岳温泉美瑛線)は冬季通行止め(望岳台〜吹上温泉)になっている。上富良野からは行けるので、要するに「大人の都合」があるのだろう。というわけで、白金温泉へ。温泉からの帰路、ドライブがてら遠回りに走っていると、キタキツネとエゾシカに遭遇。しばしば会うのでもうあまり驚かなくなったけど、それでもやっぱり野生動物との出会いは毎回うれしい。でも、、、やっぱり「人間馴れした」野生動物なのだ。
草を食むエゾシカ。山中と違い、温泉街をうろつく 個体群に人間を恐れる様子はない。彼らは頭が良い。 |
かわいいからこそ、餌を与えてはいけない。なぜなら、人間の食べ物を食べることが彼らの命を損なうことになるからだ。彼らに給餌するのは、彼らの命を削っているのと同義だ。そして、彼らの営みに可能な限り介入・干渉してはいけない。なぜなら、彼らも人間もこの地球に等しく暮らす生きものだからだ。わざわざ人間にすり寄ってくる野生動物がいるだろうか?彼らは他でもない「生存」のために人間を「当てにする」。自己満足・見栄・愛玩、、、人間が彼らに近寄る理由はとても恥ずかしく、情けないほど彼らの理由に釣り合っていない。人間が一方的に彼らを誘惑し、堕落させているのだ。
そして、美瑛にかかわらず、田園風景を観光資源にしている町は、他でもない地元の農家さんや人々の「暮らし・日常」によって成り立っている。そこに、観光客のイメージする「非日常」が混ざってくるのだということを忘れてはいけないと思うのだ。もし、先の給餌しかり「観光客の行き過ぎた振る舞い」によって、野生動物による農作物の食害や、農作業や農作物などへの悪影響が助長されるのだとしたら、それはあってはならないことだ。美瑛の美しい丘の風景。もし、その丘の畑と車道の間に「立入禁止」の柵が張り巡らされたら、一体どうなるだろうか!?「哲学の木」と農家さんの怒り・悲しみを知っているだろうか!?素晴らしい景観や体験を求めて観光地にやって来た観光客自らが、その観光地の価値や素晴らしさをおとしめてしまう可能性があることを、心に留めておきたいと思うのだ。
収穫を終えた農場で草を食むエゾシカたち。野生動物も、昆虫も、 植物も、人間も。それぞれの生活を尊重できればいいのに。 |