やっぱりアナログがいい



ここ数日、出荷するタマネギの梱包作業が続いている。出荷用のタマネギの大きさには2L、L大、L、M、Sなどがあり、タマネギを選別機械にかけると、機械が大きさ別に自動で仕分けてくれる。それをそれぞれダンボールに詰め、重さを量り、梱包するのだ。


この機械の選別の仕組みはもちろん、デジタルではなくアナログだ。センサー等のデジタル計測の要素は一切無く、タマネギの形状や大きさや性質、そして重力の法則など、あくまでも「自然の法則(物理法則)」に則ってデザインされたアナログ機械、いわゆる「古き良き機械」だ。


自然、生命、そして宇宙。この世の森羅万象に「0か1」「trueかfalse」のどちらか一方など有り得ない。0と1の間には「無限」があり、trueとfalseの間にも「else」が無限にある。デジタルの世界に突然変異は起こり得ないが、アナログの世界<0と1の間の「無限」>には、何か出来事が起こるかもしれない。そうやって生命は進化してきたし、今でもその「無限の可能性」に向かって進化している。僕らは「無限の世界の真っ只中」に生きている。そう空想したりするのだ。だからやっぱり僕は、根本的にアナログが好きなのだ。


このタマネギ選別機も、タマネギが回転溝に詰まって止まり、上流でタマネギの大渋滞が起きたり、選別されて落ちてくる量をあんまり制御できないので、ボケーっと考え事なんかしてるとダンボールがタマネギで溢れかえってたり、、、いわゆるアナログ機械特有の「クセ」がこれまたやっかいで忙しさもひとしおなのだけど、これがまた楽しかったりするのだ。デジタル機械の場合だと、なにか「人間が機械に使われている」感覚に陥って(イライラしたりと)ネガティブな感情になるけど、アナログ機械の場合、「ったく、しょーがねえナァ」って感じで、嬉々として付き合ってる自分がいるのである。「ちょっとひねくれた相棒と一緒に仕事してる」感覚になって、なにかとっても愉快になるのだ。「ゴロンゴロン、カランカラン」という音が心地よい。昔の蒸気機関車の罐焚きなんかも、きっとこんな気分だったんだろうなあ。


デジタルも便利でいいものだけど、やっぱりアナログがいい。
自然環境や生きものたちとだけでなく、機械ともこんなふうに穏やかに楽しく、パーマカルチャー的につきあっていければいいよね。