道東・根室管内、知床半島の南西に広がる根釧台地の上の酪農の町。
中標津町に来てひと月がたつ。
僕はいま、ここ中標津で酪農の仕事をしている。
酪農の仕事とはどんなものなのか。それを学び、実感するために、僕はここへやってきた。どのくらいかかるかわからないけど、ここ中標津である程度、酪農の仕事を身につけるつもりだ。
なぜわざわざ道東へきたのか?
そして、はるばる道東へ酪農修行にきたなら、なぜ日本一の生乳生産量を誇る隣の別海町ではなく、中標津なのか?
それには理由がある。
武佐岳(写真右)と 放牧中の牛たち |
霧のたちこめる牧草地帯。かつて北海道を放浪したときの記憶や 感覚がよみがえってくる、、、。 |
フリーストール牛舎で給餌中の ホルスタイン牛たち |
搾乳のため牛舎に戻っていく放牧中の牛たち |
今回の僕の酪農修行プロジェクトは、そういった酪農の勉強と、僕の過去の記憶や想い出に遡り、そして納得するための「回想の旅」ーーー本当のところをいうと、こっちの目的の方が強いーーーなのである。そして、もし自分に酪農の仕事への適性があるのなら、この先の仕事の選択肢がひとつ増える。という算段だ。
すべては僕のスローライフ実現のため。
そのために今、やるべきことを着実にやり、そして見定めるのだ。
なにかを探し求めていたあの頃に記憶を巻き戻し、再生・回想しながらーーー
中標津町の町並み。写真左奥にはまだ残雪の多い斜里岳がみえる。 |
深い霧のなかでくつろぐ牛たち。別海・標茶・中標津・標津をはじめとした道東は 夏も冷涼で牛たちも過ごしやすい。それがこの一帯の酪農王国たる所以だろう。 |
写真中央左奥にみえる斜里岳。ここから北東に向かって 知床半島の山々、知床連山が連なる。 |
北海道遺産にもなっている「根釧台地の格子状防風林」のほんの一角。 主な構成樹種はカラマツ。そのほかシラカンバ、水気の多いところでは ミズナラ、ヤマハンノキ、ヤナギなどが入り込んでいる。 |
広大な牧草地と牧場がどこまでも続く。雄大などという言葉では全然足りないほど 圧倒的なスケールの大地。人間の営みがしょうもないほどちっぽけに感じる。 否が応でも、我々人間も地球の上に暮らしている、とある一つの生きものに過ぎない ということを痛感させられる。 |
果てしなく続く根釧台地と道路。 |