ラニーニャ現象、キレンジャク、ヒレンジャク、マヒワ、シマエナガ、ツグミ、スズメ、ドバト

キレンジャク


 ここ1週間ほどだろうか、美瑛町内にキレンジャクの一団が滞留している(ヒレンジャクも数羽混じっている)。毎日夕方ごろ、町内の電線に群れで留まりながら、目の前の目抜き通りに植栽されているたくさんのナナカマドの実をひたすら食べ続けているようだ。昨シーズンの早春にはヒレンジャクの小グループを初確認したが、こんな大きなグループは見なかった(ただ気が付かなかっただけかもしれんが、、、)。他にも、今冬はツグミを町中でよく見かける気がするし、町外れのカラマツ林にはマヒワ(初見)やシマエナガもいる(どちらも写真撮れず)。




町内の電線に群れるキレンジャク一団。
ヒレンジャクやツグミも混じっている。
ナナカマドの実がお目当てだろう。
北海道の冬は通常、北西および西から、つまり大陸から常に風が吹いているが、今冬はラニーニャ現象が発生していて、偏西風が蛇行している。そのため大陸からの寒気団が南下しやすくなっていて、そのせいで今冬の本州は全国的に寒く、特に北陸では例年を遥かに超える豪雪となっているようだ。そんな状況のなか、毎年越冬のため南下する渡り鳥たちは「今冬は本州も寒そうだから、これ以上南下しても骨折り損だべ!よっしゃお前ら!したら今冬は北海道止まりにしとくか!」な〜んて考えているのかもしれん(^^)。鳥たちはみんな、空のこと、大気や気流のことをこの地球上の誰よりもよく理解しているはず。越冬のため南へ飛行中の彼らには、偏西風が例年より南へ逸れている風の流れが見えているだろうし、地球じゅうの大気の流れを肌で敏感に感じ取り、常に合理的に行動しているにちがいない(生きものたちはみんな、常に合理的だ)。


 このキレンジャクの一団、もしかしたら今冬ずっと町内に居座り、越冬するのかもしれんな〜。(追記:この一団、2月中旬ごろには姿を消していた。目抜き通りのナナカマドの実はどうやら食べ尽くしたようなので、他の場所に移動したのかも。)


キレンジャク

目抜き通りの周辺にはナナカマドの実を食べたあとの糞が散乱している。
付近に住む人は迷惑だろうが、、、どうか勘弁してやってほしい(><;)

キレンジャク。その風貌は僕にはオリエンタルな・中国っぽい印象に感じる。

キレンジャク一団に数羽混じっているヒレンジャク。
尾羽先端の緋色のほか、キレンジャクと比べお腹がぼんやり黄色く光っているような色をしている。

キレンジャク。精悍でシャープな顔つきの彼らが群れると、なかなかの迫力と存在感がある。全員ガンダムみたいな笑

アンテナに集まるキレンジャク。ツグミやヒレンジャクも混じる。

ツグミ



ナナカマドの実を咥えるツグミ

ツグミ。

民家の生垣から顔を出し、周囲を見渡すスズメたち。めちゃカワイイ(^^)



 美瑛に移住してすぐに感じ始めたことだが、ここいらのスズメたちは、人間に対する警戒心が都会よりかなり低いと感じている。それを証拠に、このような人間の手がすぐに入ってしまう民家の生垣に平気で居るのである。そして夕方にでもなると、帰宅後今日あったことをみんなで一斉に話しているのか「チュンチュン・ジュジュジュ、ピーチクパーチク、、、」とそこらへんの生垣や常緑のマツなどの奥から大合唱が始まる(さすがに目の前を歩くと鳴き声がピタッと止まるけど(^^;)。記憶の限りでは、僕が以前暮らしていた人口密度の極めて高い関東の平野部では、こんな状況は全く無かった。


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 人間だろうと生きものたちであろうと、生息密度が高いということは、それだけ生活ストレスが高い。それがやがて疑心を生み、生存圧が高まり、みるみる気持ちに余裕がなくなり、そして暴力的・好戦的になってくる、、、。ついには「無神経を装わなければ」まともに生活することが・神経を保つことができなくなってくる。、、、そう、都会の人間は「感覚を自ら麻痺させて」生きているのだ。少なくとも僕は、都会で生活していたときにずっとそう思っていたし、感じていた。
 人々は口を揃えて言う。「都会は便利で暮らしやすい」と。僕は全くそう思わない。今でも、もちろん都会に住んでいたときも、そんな風に感じたことは一度もない。「都会は便利で暮らしやすい?一体この人たちは何を言っているのだろう?本気でそんな風に思っているのだろうか?」と。改めて思う。都会は生活していくにはあまりにも「異常な世界」であると。


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 人間に限らず、同じ種でも都会に「依存」するより田舎に暮らす生きものたちのほうが、はるかにのびのびと、健やかに生きているのではないだろうか。



民家の生垣はさながらスズメのマンションだ。

ドバト